川の道ハーフ3日目

2008/05/02(金) Posted in 参加しました
大会名第4回 日本横断「川の道」522kmフットレース
前半部分 荒川~千曲川ステージ270km(制限時間60時間)
ルート東京湾・荒川河口~荒川遡上~埼玉県秩父市川又~三国峠(中津川林道)~信濃川下降~長野県小諸市:270kmの部のゴール/252kmの部のスタート~長野市~飯山市~新潟県長岡市~新潟市・日本海海岸~新潟市「ホンマ健康ランド」
参加資格120km以上のウルトラマラソンの完走経験がある20歳以上の健康な男女
リンク要項
スポーツエイドジャパン
私の事前の川の道計画とチェックポイントなど
備考最終日。1729mの三国峠を越えて小諸へのラスト95km


三国峠

f:id:urano_cobito:20080502065352j:image f:id:urano_cobito:20080502083606j:image三国峠、千曲川出合

f:id:urano_cobito:20080523230428p:image三国峠での防寒

1:20に目覚ましをかけたら、両脇の人も一緒に起きてしまった。みんなそれぞれに出発の準備を始める。私も毛布の中でレモテープやテーピングを使い切る。鎖骨、わき腹、膝、脹脛、左の内腿、腰、背中、足裏。スタッフに「元気そうだね、これなら大丈夫だ」と言われる。こうして一人一人に目を配ってくれている。今日もshirubeさん、はるさんとの3人で出発。もはやゴールまで一緒に行ってくれると(勝手に)信じて疑わない。暗闇の中、上り口方向が一瞬分からなかったが、ここもshirubeさんの先導で無事通過。

三国峠越えは、未舗装の林道だ。車も通れる幅だが、足裏に角石の突き上げがしびれる。中アの練習会を思い出すような、未明の林道を早歩きで進む。たった3時間の睡眠だけど、頭も身体も楽になっていて、この日は眠気が出ることは無かった。上り傾斜がついていることも、違う筋肉を使えていいのかもしれない。明るくなっても同じような風景の中、ただただ歩いて標高を上げて行く。残雪の小汚くなった塊が道路に見られるようになってきたが、寒さはそれほどでもなく、ペラペラのジャケットで十分だった。6:53、CP10(三国峠:193.5km)到着。

この日はやけにトイレが近い。「何?何が起こったの?補給ー!補給ー!」とパニックになっていた身体が、「そうですか…これが日常ですか…」と諦めて、異常な空腹や喉の渇きのサインを出すのを止め、吸収できなかった水分はさっさと排出することにしたのか。三国峠だけで5回ぐらいトイレ(小)タイムを取った。千曲川との出合で写真撮影。梓山に下山する途中で久々に携帯の電波が入った。頑張ったペースで来たのにちょっと多めの休憩を取ってしまった気がする。このとき残る距離とゴール閉鎖を計算したら、うーん、キロ10分で休憩無しだな…。今はキロ10分で休憩有りのペース。休憩を無しにするなんて思っただけで泣きが入る。でもこれが、ウルトラのタイムを決める境目なのだ。10kmに5分の休憩が、そのまま100kmでは50分になる。と、分かっていても我慢できない。

間に合わない

f:id:urano_cobito:20080502093909j:image f:id:urano_cobito:20080502103320j:image f:id:urano_cobito:20080502103930j:image桜、マッサージ、エイドうまうま

ちなみにゴールの小諸グランドキャッスルホテルの関門時間はハーフの私は21:00。フルのみんなは翌25:00。4時間違う。急がなくてはいけないのは私なのだが、ペースの切り替えも、気持ちの切り替えも出来ないまま進んでいた。濃い桃色の桜が満開で写真を撮りっこしたり。今年は何度桜を見たんだろう。公民館の反対側にエイドぽいものが見える。事前に聞いていたHさんの私設エイドの位置よりかなり手前だけど?一瞬通り過ぎようとしたが、やっぱりエイドだった。熱を持って腫れている足をマッサージしてもらう誘惑に勝てない。「2分で出ます!!」と宣言したが、そんなわけはなく結局30分寛いでしまった。ふきといかの煮物と梅酒の梅をつまみながら熱いお茶を飲むのですよ?Hさん、ありがとうございました。この後リタイヤの人を救出に行ったりと、私設エイドはレスキュー隊でもあるのだった。

腹を下す

f:id:urano_cobito:20080502134625j:image f:id:urano_cobito:20080502141208j:image男山、CP11

公民館のトイレを借りて、1kmも進まないうちにお腹の調子がおかしい。二人に先に行ってもらい、やむなく近くの福祉センターへ。とにかく一歩でも近いところへ。声をかけてトイレを借りるが、お腹はガスがたまってぱんぱんで、下している。原因はもうわからん。持ってきた薬を飲むけれど、万事休すの気持ち。ここの駐車場でも役場の人にかくかくしかじか。少し進むと二人はバス停で横になりながら待ってくれていた。更に数キロ、またお腹がだめだ。無理やり二人を引きとめてまたトイレ。それまではちゃんと食べていたので体力のストックがあったのが幸いだった。この後、また農協のスーパーでトイレ。以降は薬がきいたのか持ち直してくれた。ペースどころの話じゃない。

右手に変わった形の山が見えたので、地図を眺めると「男山」だった。積雪が無いせいか里山に見えるが1851m、立派な高さだ。ここらへんは基本的に標高1200m以上あるのだ。そうだ、shirubeさん、近くにちゃんと女山もありましたよ。対照的に、左手の田んぼの向こうに美しい雪山が連なって見える。八ヶ岳だった(このときは手持ちの地図の範囲外)。14:12、CP11(南牧市場T字路:223.2km)に到着。工事現場を抜けた、何も無い交差点がチェックポイント。

長い佐久平

f:id:urano_cobito:20080502145800j:image楽松師匠(黄色い点)

次のCPまでは38.8km。もう、1kmが長い。地図を眺めながら、何度もまだここかと思った。最初、路肩の無い急なカーブの続く道で、交通量も多くトラックも多い。平らな車道を歩きたいのを我慢してぎりぎり端っこに寄って進む。神経が疲れていて、あるところでぷちーんとなって俄然走り出してしまった。むぎゃー!路肩狭いんじゃー!と叫びながら。そのうち歩道が現れて、気がほっとしてまた歩き始める。

しばらく進むと、後ろから選手が爆走してくる。伝説(?)の走る落語家、三遊亭楽松師匠だ。どわー、速い。無言で一瞬のうちに過ぎ去っていく。ちなみに楽松師匠、去年は川の道のフルを往復!して、今年は日本横断じゃ物足りないのか縦断してしまう超超超距離ランナー。ちなみに縦断(2008本州縦断・青森~下関1,528kmフットレース http://sportsaid-japan.maxs.jp/taikai/taikai.htm#2008foot)、参加者募集中らしい。個人的に「楽松杯」と呼んでいるが、2008年5月25日(日)~6月16日(月)って、もうすぐじゃん。

海尻の辺りで小海線を越えてしばらく、2両の電車がとことこと走っていった。レース後に乗ったら、この2両は途中で切り離されて1両ずつになってしまうらしかった。道路に別の大会の白線があって紛らわしいが、ひたすら141号線を進む。わき目もふらず進み続けるshirubeさんについていく。自分の関門時間はもう間に合わないけど、フルの二人の関門時間が心配になってきた。23:00頃に着けばいいなと思っていたけど、この時17:00頃だったかな。あと35kmぐらい。5kmに1時間かかっている、てことは7時間。小諸24:00。二人の関門は25:00。なにかトラブルがあったらどうしよう、そうでなくても明日の出発が遅れるということは今後の工程がどんどんきつくなるってこと。そんなに押していたとは、なにより自分が途中足手まといになっていて、ペースアップも図れない。マコトさんに着時間を手動GTMailsしていたが計算がままならない。

泣き出す

f:id:urano_cobito:20080502175413j:imageコンビニ休憩

申し訳ないのと、もう頑張りたくないのと、足裏と足指がじんじんしびれて熱くて靴を脱いでバタバタしたいけどその時間も無いと思ったら涙が出てきて、みんなのコメントメールを見ながらずんずんずんずん歩いた。このサングラス着けてるときは泣いてばかりいる。恥ずかしいので二人より前に出てペースアップする。泣いているとアドレナリンが出て足が楽になったので、これは良いと思ってだらだら泣きながら歩いていたら、一人で歩いてきた女子高生に小さい声で応援された。

ここらへんの人はみんな、通りすがりに「おつかれさま」「頑張って」と声をかけてくれるし、コンビニの店員さんもドラッグストアの店員さんも、接客ってこれだけ心を込められるのか!という程心を込めて接してくれる。地元のマコトさんに聞いたら、佐久では国道141号線を78km歩く「佐久市強歩大会 http://www.city.saku.nagano.jp/top_dir/event/kyoho/kyouho.html」というものが有るのだそうだ。ちょうど今年は4/19、20開催って、ついこの前だ。白線はそれか、と、今調べて合点が行った。そして、ここの皆さんが私たちみたいな半行き倒れ(コンビニ入口で納豆を食べたりする)を、寛容に迎えてくれるのも、強歩で理解があるからのようだった。佐久市ラブ!ありがとう!

いつのまにか前の選手に追いついてしまった。私たちはそこで一旦休憩。奮起したのか秋田のFさん、その後は姿が見えなくなった。ちなみに開会式で「秋田から新潟にすでに車を置いてきました」の発言にみんな沸いてた。そりゃ完走しないわけにはいかないよね。

最後の日没

f:id:urano_cobito:20080502203159j:imageマコトさん

泣き終わって日が暮れて残り20kmを切ったころ、細い雨が降り始め、マコトさんが現れた。お仕事も忙しい中、この後5km程の間、車で先回り&逆走で励まし続けてもらう。温かい卵スープをポットで貰う。しかし、もう、ここまで来ると食べ物よりも飲み物よりも、人の声と言葉が何よりの薬だった。苦しい時に、みんなが入れ替わり立ち代り助けてくれる。携帯はみんなからのメールが常に着信していて、着信のランプと光る画面を、後ろからみえるようにザックのポッケに入れておいた。安全用のテールランプが要らないくらいに、携帯は光っていた。

21:30頃だろうか、後ろからMさんとOさんが現れた。こまどり荘を2時間半後に出てきた女性の二人組。完璧なペース配分!Mさんは私たちを置き去りにしようと、変わりかけの信号を駆け抜けていく。着いていかねば!!あの時のピンクのウェアの後姿は忘れられない。こうして同じ距離を更に速いペースで進んできた人が、こんなに頑張れるんだ、自分も頑張らなくちゃ。しばらく打って変わったようなハイペース(といってもキロ7'30ぐらいだったかも)で進むが、そのまま私が前に出てもっともっと走らねばと進み続ける。はるさんが後ろにいるな、じゃあまだ進もう。そのうち一人になっている。止まってはいけない、このままゴールまで行かないといけないと思いつつ、後ろを振り向くと今度はshirubeさんがいる。はるさんもそのうち来るだろうとまた走り続け、とうとうCP12(佐久長土路東交差点:262.0km)に着いた。21:57。

最後のコンビニを経て、ゴール

ここから歩き始めてしまって、また足が痛いと感じてしまう。ずるずるひきずりながら、何度も追い抜かれてしまうんじゃないかと振り返りながら、残る7.7kmに結局90分かかった。線路を超えるはず、線路が左に集まるはず、もうすぐだというところでshirubeさんが「コンビニに寄る」という。え?こんなに一生懸命走ってきたのに?と思ったが、これこそベテランの知力で、小諸では食べものが出ないのだった。そして、私以外はみんな明日の未明からまたレースを続けなくてはいけないのだ。ビール、つまみに生ハム、パスタ、パン、牛乳などを買いこんで両手にビニール袋を下げたが、まだこの先があった。1.5kmぐらいだろうか?小諸の駅のホームがやたら長く見える。その向こうにあるよ、と言われるが建物は見えない。とうとう、とうとう…と思っていたらホテルの前にスタッフの方が二人いらして、ゴールテープを張ってくれた。5/2 23:28:05、CP13(小諸グランドキャッスルホテル:269.7km)ゴール。shirubeさんと手繋ぎゴールしてもらい、記念写真を撮って、私の川の道ハーフは終った。62:28:05、時間外完走。

f:id:urano_cobito:20080523230429p:image

お風呂で

Mさんは最後、まくって私たちの直後に到着。エントリーリストみたら、ななななんと御年、私の年齢×2-1歳。姉さんと呼びたい。かっこよすぎる。Oさんは高橋香さんの慰霊登山&形見分けの時にお見かけしてて、その後も女将さんの店でお会いした御縁のある方。「今日は山だからねー、香くんのシャツを着て来たのよー」と。シャツも本望でしょうね。すっかり腑抜けで湯に溶けている私をよそに、二人は着々と明日の計画を話し続けていた。温泉から小諸の夜の灯りを見ながら、「あー、楽しかった」と思った。おしまい。

CP場所 距離区間標高予定着 実着 備考
9 こまどり荘 175.213.7 747 18:33 20:30 2:00出発
10三国峠 193.518.3 1729 5/2 4:07 5/2 6:53  
11南牧市場T字路223.229.7 1234 10:04 14:12  
12佐久長土路東 262.038.8 708 17:41 21:57  
GL小諸GCH 269.77.7 662 19:35 23:28